MENUMENU
  • Vol.132
  • DESIGN
  • 2021.12.10

おもてなしから学ぶUXデザイン

DX時代、コロナ禍において、Webサイトやインターネットを通じて交流が増えたと感じています。以前の「インターネット=情報収集」というワンウェイから、今ではインタラクティブな相互の理解がさらに当たり前の日常となっています。 私は現在、Webデザイナーとして日々励んでいますが、実はこれまでの約3年間、航空会社の客室乗務員として従事していました。 客室乗務員の経験を生かし、私が学んできたおもてなしの視点から、より良いUXとは? ユーザーにとって優しいサイト作りとは何か?について考えていきます。

DESIGNER

H.H.

おもてなしの本質的な意味

おもてなしの本質的な意味

広辞苑によると、
おもてなしの語源は、「とりなし、つくろい、たしなみ、ふるまい、挙動、態度、待遇 馳走、饗応」とあります。平安、室町時代に発祥した茶の湯から始まったと言われ、お客様や大切な人への気遣いや、心配りをする心が築かれた、世界に誇れる日本の文化といえます。
おもてなしは、「もてなし」に丁寧語「お」を付けた言葉であり、その語源は「モノを持って成し遂げる」という意味だそうです。
また、おもてなしのもう一つの語源は「表裏なし」、表裏のない「心」でお客様をお迎えすることです。
茶道でも表現される「侘び寂び(わびさび)」は、表に出過ぎない控えめな心です。その場にいない相手に対して、その方をお迎えするにあたり、心をこめて準備をするなど、「目に見えない心」を「目に見えるもの」に表す。そのための努力や舞台裏は微塵も表に出さず、主張せず、相手に余計な気遣いをさせないことが、「おもてなし」の本質です。

おもてなしとUXの共通点

UX(ユーザーエクスペリエンス)をASCII.jpデジタル用語辞典でみると、
製品やサービスそのものの利用価値や所有価値ではなく、使用・消費・所有などを通じて、ユーザーが認知する有意義な体験のこと。製品やサービスを利用する際の動機や感情的な経過を重視し、ユーザーが真に求めていることを「楽しく」「面白く」「心地よく」行える点を提供価値として考えるコンセプト。
簡単にいうと、UXデザインはサービスやプロダクトを通じて、ユーザーがうれしい、ここち良いと感じる体験すべてを設計することです。
古くから私たち日本人のDNAがもつ「おもてなし」と、時代の先端であるUXにも共通点があるのではないでしょうか。

おもてなしから学ぶUXデザイン

では、おもてなし精神が感じられる体験のポイントから、UXデザインに活かせる例を3つ紹介します。

①しつらえを意識する

しつらえという意味を言い換えると、お客様を出迎える前にしっかり準備、用意をすることです。
客室乗務員時代を振り返ると、搭乗前に、お客様が使用するアイテムに、汚れやシワがないか、手洗い場が綺麗かどうか、隙間にゴミがないか等、訪れる前に入念にチェックします。
そしてお客様が来られた時に、常にこの空間は綺麗で整っていると思っていただけるようにします。

同じ視点でUXデザインを考えると、
・クリックした時、瞬時に画面が現れるか?
・視覚的にストレスないデザインか?
・サイト内のメニューはわかりやすくなっているか?
など、サイトに来訪したユーザーがストレスなく心地よく見ることができる空間を細部まで意識して作る行為とよく似ていることがわかると思います。

②相手に合わせたサービスを心がける

飛行機を利用されるお客様は、性別・年齢・国籍・環境 全てバラバラでした。例えば、仕事で疲れて、ただ静かに休みたいという方。初めての利用で緊張されている、お子様連れのお母様。日本語も英語もわからない海外からのお客様。いわば、ジェンダーやダイバーシティを凝縮した空間といえます。
当時は相手を観察し、何を求めているのか理解しようと心がけ、一人ひとりに合わせてアプローチを変えていました。
こうした所作はお客様一人一人が、私のことを分かってくれている、ここなら間違いない、といった安心感を生み出すことに繋がっています。

ファーストクラスをご利用される方も、団体旅行の方も、全てのお客様に満足していただく必要があります。そのためには、相手をよく知ること、それぞれのお客様のニーズを読むことが重要でした。
その結果、忘れられない思い出になることもあります。安心感から信頼感が生まれ、また利用したいと思っていただけます。お客様に寄り添う接客は、お客様の心を掴む重要な役割を持っているのです。

UXデザインも同様です。
Webサイトを使い慣れている人や、初めてPCやスマートフォンを触れる年配の人、どんな人が、どういう目的でサイトに訪れるのかはバラバラです。
だからこそ その人それぞれのニーズに合わせてWebサイトを提供する必要があります。

③アピールは不要、さりげないアプローチを心がける

前述の通り、お客様の状況や表情を観察しながら、ニーズを感じ取ることが大切です。最初からサービスモード全開でいくと、お客様が気分を害して怒ってしまったり、うるさい接遇だったという印象を与えてしまいます。「知らず知らずの間に心地よく過ごせていた」という感想を持っていただけることが、いい接遇のひとつだと思うのです。そのためには「無理に接しない」ことも、おもてなしのひとつです。
UXデザインも、長すぎる文章が続いたり、不必要な装飾が多いビジュアルだったり、エフェクトが効きすぎたデザインなどは避け、自然にユーザーが購入まで行くことや、再来したいデザインを意識していきたいです。

おもてなしの心と、ユーザーに寄り添ったUX

ユーザーが使いやすい設計を考えることはUXには必須です。そこには、おもてなし精神を絡めて考えると、より一人一人のユーザーのことを考え、こだわり続けられると思います。それを継続することで、ユーザーが期待する以上のWebサイトが実現するのではないでしょうか。
具体的には次のような配慮だと思います。
・見やすくわかりやすいレイアウト
・心地いいストレスの少ないデザイン
・当たり前だとユーザーが感じる動線を考えたデザイン設計
・ストレスのないページ遷移
世の中はこれからも大きく変化していくでしょう。Webサイトもより多くのニーズや高い評価を求められます。私自身、まだ未熟で、試行錯誤の連続ですが、今まで客室乗務員の経験で培ったおもてなしの心を持って、ユーザーに寄り添ったUXを実現できるように、これからもユーザーファーストなUXを追求していきます。

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