あなたのリーダータイプはどれ?Z世代に支持される「共感型リーダー」とは
実は、時代の変化とともに、理想とされるリーダー像も変わってきています。特にZ世代と呼ばれる若い世代が社会の中心に加わりつつある今、新しいリーダー像が求められています。
この記事では、6つの代表的なリーダータイプを紹介し、Z世代から注目を集めている「共感型リーダー」について詳しく解説します。
あなた自身のリーダータイプや、ついていきたいリーダー像を見つけるヒントになれば幸いです。


1. 6つのリーダータイプとは?
1-1. リーダーとリーダーシップとの違い
「リーダー」と「リーダーシップ」は似ているようで異なる概念です。リーダーは、目標達成に向けてチームを導き、決断し、行動を推進する役割を担う人。その折々、リーダーには決断を迫られる機会が山とあります。決断と責任は常に裏腹ですが、それらを一手に引き受けて、決断を下し、メンバーを動かしこれを実行する。それこそが核となる役割です。
リーダーという言葉と引き合いに出されるのがリーダーシップです。リーダーシップとは、人を導く能力や影響力のことで、立場に関係なく発揮できる“スキル”です。つまり、肩書きがなくても、リーダーシップを発揮することは誰にでも可能なのです。詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照ください。
1-2.PM理論とその限界
リーダーとリーダーシップについて語る上でよく触れられるのがPM理論です。
以下の図のようにPM理論はリーダーシップをP(Peformance)課題達成に向けた行動力と、M(Maintenance)人間関係を円滑にする働きかけの両軸で捉え、業績面と人間関係面の2面によってリーダーシップは発揮されるとする考えです。
しかし、このPM理論では複雑化する組織や環境の変化に柔軟に対応する力が十分に考慮されていませんでした。それは、企業や組織が巨大になるほど複雑化した局面です。
そこで注目されたのが「状況に応じたリーダーシップ」、いわゆるSL理論です。条件適応理論や環境に応じたリーダシップについて考えられるようになり、部下育成のリーダーシップの研究が進むきっかけとなりました。
1-3. ゴールマンの6つのリーダータイプ
心理学者で大ベストセラーとなった『EQ こころの知能指数』の著者でもあるダニエル・ゴールマンは、リーダーシップのタイプを6つに分類しました。
あなたはどのタイプに近いと感じましたか?そして、どのタイプのリーダーについていきたいと思いますか?
- ・強圧型
- ・権威主義型
- ・親和型
- ・民主主義型
- ・先導型
- ・コーチ型
それぞれのリーダータイプについて詳しくみていきましょう。
・強圧型
このタイプはメンバーに服従することを要求します。「自分の言うとおりにやれ!」といったフレーズがピッタリのタイプです。メリットは、危機的状況下や緊急時における即断・即決と行動力です。実はこのタイプは出世しやすいことでも知られています。しかし、このリーダータイプはカリスマリーダーと見られる一方、強権的な方法により組織に壊滅的なダメージを与えてしまう事例が多くあります。
・権威主義型
ビジョン型リーダーとしても知られています。リーダー手法としてはビジョンに向けて人を動かし「自分についてこい!」といったタイプです。新しいビジョンを必要とする変革期に登場するリーダーとして多いタイプです。
・親和型
人間関係を重視するタイプのリーダーで、調和を築き感情的な絆を深めることに長けています。従業員エンゲージメントやメンバーのやる気を起こさせることに向いています。「人が第一」という信条を持っていたりします。
・民主主義型
「あなたはどう考えますか?」という問いを投げかけて、メンバーの意見をまとめて合意形成を図るタイプです。メンバーの参加を促す、輪の中に入れるのが得意なファシリテーションに向いている資質の持ち主と言えるでしょう。ファシリテーションについて詳しく知りたい方は、vol.163ファシリテーションに必要な技術、役割とスキルアップの方法をご参照ください。
・先導型
早急に成果を引き出そうという局面でリーダーシップを発揮するのがこのタイプです。「さあ、私のする通りにやりなさい」と自らが率先して行動して示すことでメンバーを目標達成まで導いていきます。
・コーチ型
チームメンバーの一人ひとりの能力やモチベーションを引き出し、成長をサポートする人材育成の素質のあるタイプです。「やってみよう」や「できるよ」とスポーツ選手に付き添うコーチのような立ち回り方をするのが特徴です。将来に向けた人材育成に長け、従業員の能力改善や長期的な強みを養成する際には特に活躍します。
代表的なリーダータイプを6つ紹介しましたが、あなたはどのタイプですか?
また、あなたならどのタイプのリーダーについていきたいと思いますか?
1-4. 日本に多いリーダーは「強圧型」?
日本の企業文化では、強圧型リーダーが多いと言われています。その背景には以下のような理由があります。
- ・年功序列・終身雇用が長く続いた文化
- ・上司の指示に従うのが当たり前という価値観
- ・「和を重んじる」集団行動重視の精神
- ・失敗=責任追及という風潮による裁量の制限
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2. Z世代に支持される「共感型リーダー」とは?
Z世代は、AIやSNSを日常的に使いこなすデジタルネイティブ世代です。
ワークプレイス・インテリジェンスとINTOOが実施した調査によると、調査対象のZ世代の47%が職場の上司よりもChatGPTなどのAIの方が良いアドバイスをくれると回答しています。また、55%がSNSを利用していると回答しています。
この事実からも、従来の強圧型・指導型リーダーではZ世代との信頼関係を築きにくいことが分かります。
これから求められるリーダータイプは「共感型」
これまで6つのリーダータイプについて触れてきましたが、2020年以降、注目を集めているリーダーのタイプが「共感型(・支援型)リーダー」です。
コロナウィルス感染症が世界に拡がる2020年前後を境にリーダータイプ世界のリーダー、企業のトップのリーダー傾向が大きく変わりました。
コロナ禍以前には、アップル創業者のスティーブ・ジョブスやマイクロソフトのビル・ゲイツをはじめ、カリスマ性を発揮し、抜群の行動力と発想力を持ち、組織を力強く牽引していくリーダーシップが注目を集めました。
しかし、時代は変わり求められるリーダーのあり方やリーダーシップが変化していきます。
共感型リーダーの特性
共感型リーダーは、強圧型リーダーのような命令や指示で人を動かそうとするトップダウンのやり方ではなく、対話・傾聴・共感を通じてチームメンバーを支援し、彼らの行動の動機づけをするリーダーです。
共感型リーダーの行動パターンとして代表的な5つの特徴を挙げます。
- ・傾聴:部下やメンバーの意見を最後まで遮らずに傾聴する
- ・共感:相手の立場や気持ちに寄り添い、認める
- ・支援:成長を後押しするリソースやアドバイスを提供
- ・信頼:ある程度の裁量を与え、自分で考え判断させる
- ・失敗を許容:ミスや失敗を責めず、学びや成長に材料にする姿勢
こうした行動パターンにより、チーム内の心理的安全性が高まり、部下やチームメンバーが失敗を恐れずに挑戦できる環境が整うことで、自律的に仕事に向き合えるようになります。
積極的な挑戦と行動が、イノベーションや組織改善のアイディアを出しやすい職場環境となり、結果的に離職率の低下や、メンタル不調者の減少につながります。
共感型リーダーの代表には、アップルCEO ティム・クックやマイクロソフトCEOのサティア・ナデラなどがいます。
共感型リーダーに必要な素質とは
共感型リーダーに必要とされるのは、「有能である」よりも「人としての好感度」です。
人としての好感度は、言い換えれば「人に好かれる人間かどうか?」です。つまり、IQ(知能指数)よりも人間力の指標であるEQ(心の知能指数)を重要視するリーダーです。
これは先に取り上げたダニエル・ゴールマンも提唱します。”リーダーにとってEQはIQ以上のコンピタンスである”とし、IQ(知能指数)ではなく、EQこそがリーダーに必要な能力・資質であるというのは、「EQが高業績リーダーをつくる」という論文で触れています。
AIが仕事や生活の一部となり、人と密接な関係になっていく中で、「人間らしさ(EQ)」がこれまで以上に評価されていくことがわかります。
そして共感型リーダーには、以下の二つの能力を活かし、伸ばしていくことが求められています。
- ・Empowerment(力を与える)
- ・Empathy(共感)
3. まとめ:あなたはどのリーダータイプ?
社会や組織の在り方が変化する今、リーダーに求められる資質もアップデートが必要です。
Z世代を中心としたこれからの時代においては、「共感」と「人間力」を持ったリーダーこそが、多様なチームを前に進める力を持つのではないでしょうか?
あなたはどのタイプのリーダーだと思いましたか?
そして、どのタイプのリーダーについていきたいですか?
この問いを通して、これからのリーダーシップについて考えるきっかけになれば嬉しいです。
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