vol.192DESIGN
循環型経済とサーキュラー・デザイン― 持続可能な未来を“デザインする”という発想―「成長」と「消費」が経済の中心であった20世紀。そして21世紀に入り、世界の潮流は「再生」と「循環」へと舵を切りつつあります。かつての産業モデルは「つくって、売って、捨てる」という直線的な流れ――リニア・エコノミー(Linear Economy)――を前提としていました。効率を追求するこの構造は短期的な利益を生み出す一方で、資源枯渇や気候変動、廃棄物問題といった「副作用」を急速に拡大させてきました。その副作用に対して、欧州を中心に生まれた新しい経済思想が「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」です。
モノやエネルギーを「捨てずに回す」。資源を「消費」ではなく「再利用」「再設計」する。そこに企業・社会・デザインの新しい関係性が生まれています。
本記事では、
1. 循環型経済・サステナビリティの全体像
2. 循環経済とデザイン思考の関係
3. サーキュラー・デザインの実践的視点
これら3つの切り口から、未来を形づくる“デザインとしての循環”を探ります。