Vision making

Vol.186

author

ストラテジック・デザイナー

T.M.

ビジョンの作り方

- 未来像を、判断と体験へ移す

この記事の対象:
ビジョンを実務へ落としたい経営者事業責任者チームリーダー
ビジョンの作り方で大切なのは、きれいな言葉を先に考えることではない。過去の強み、現在の課題、未来の約束を整理し、日々の判断と体験へ落とす順番をつくることだ。
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ビジョンを実務へ落としたい経営者事業責任者チームリーダー
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この記事でわかること

  • ビジョンに必要な材料
  • 言葉にする手順
  • 体験へ落とす方法
  • 運用に残す確認点
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ビジョンは何から作ればよいのか

ビジョンは何から作ればよいのか

過去、現在、未来の材料を集める

過去、現在、未来の材料を集める

ビジョンを作る時、最初から短く美しい言葉を探すと、よくある表現に寄りやすい。大切なのは、言葉の前に材料を集めることだ。

見るべきものは三つある。過去に大切にしてきた価値。現在、顧客や社員から見えている課題。これから社会や事業が向かう先である。

この三つを並べると、自社が変えるべきことと、変えてはいけないことが見えてくる。ビジョンは空から降ってくる理想ではない。会社が歩んできた時間と、これから選びたい未来をつなぐ言葉なのである。

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似た言葉をどう分けるのか

似た言葉をどう分けるのか

存在意義、未来像、価値観に分ける

存在意義、未来像、価値観に分ける

ビジョンづくりでつまずきやすいのは、似た言葉が多いことだ。存在意義、ビジョン、価値観。どれも大切だが、役割は違う。

存在意義は、なぜ会社があるのかを示す。ビジョンは、これからどんな未来を実現したいのかを示す。価値観は、その未来へ向かう時に何を大切にするのかを示す。

たとえば、存在意義が「地域の暮らしを支える」なら、ビジョンは「誰もが安心して暮らしを選べる社会をつくる」といった未来像になる。価値観は、そのために守る姿勢である。分けて考えると、言葉は整理しやすくなる。

ビジョンはどう体験になるのか

ビジョンはどう体験になるのか

TOMAMUは、場所の魅力を時間の価値へ変えた

TOMAMUは、場所の魅力を時間の価値へ変えた

BOELのPROJECTSにあるTOMAMU the WEDDINGでは、雲海や自然という場所の魅力を、結婚式当日だけでなく滞在全体の体験として再定義した。

ここで行ったのは、きれいな写真を並べることではない。到着、滞在、挙式、その後の余韻まで、利用者が過ごす時間の流れに沿って情報と感情の導線を整えたことだ。「どこで挙げるか」ではなく「どんな時間を過ごすか」を選べるようにしたのである。

ビジョンの作り方も同じである。言葉にして終わりではなく、その未来が顧客や社員の体験でどう感じられるのかまで設計する。そこまで落ちて初めて、ビジョンは選ばれる理由になる。

PROJECTS「TOMAMU the WEDDING」を読む

作成手順はどう進めるのか

作成手順はどう進めるのか

五つの順番で、言葉を行動へ近づける

五つの順番で、言葉を行動へ近づける

ビジョンづくりは、次の五つの順番で進めると考えやすい。

一つ目は現状を知ることだ。顧客、社員、社会から、自社がどう見えているのかを集める。

二つ目は未来像を描くことだ。どんな状態を増やしたいのか、どんな違和感を減らしたいのかを言葉にする。

三つ目は短い言葉へ整えることだ。誰が聞いても意味がずれない言葉を選ぶ。

四つ目は接点へ落とすことだ。商品、採用、営業、ウェブでどう表れるかを決める。

五つ目は運用することだ。会議や評価で使い続け、必要に応じて磨き直す。

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どうすれば言葉で終わらないのか

どうすれば言葉で終わらないのか

使う場面を先に決めておく

使う場面を先に決めておく

ビジョンを作ったあとに起きやすい失敗は、発表して終わることだ。言葉はできたが、何を変えるのかが決まっていない。これでは時間とともに忘れられていく。

そうならないために、使う場面を先に決めておく。新しい施策を選ぶ時。採用で候補者に会社を説明する時。営業資料を直す時。顧客対応の言葉を見直す時。

さらに、ビジョンに合わないことをやめる基準も必要である。何をしないのかが決まると、ビジョンは飾りではなく判断軸になる。作った言葉を使う場面まで設計しておくことが、実務では欠かせない。

作った後はどう磨くのか

作った後はどう磨くのか

小さな判断を見直し続ける

小さな判断を見直し続ける

ビジョンは、一度作れば終わるものではない。事業や顧客、社員の状態が変われば、言葉の使われ方も変わる。だから、運用の中で磨く場を持つ必要がある。

月に一度でもよい。会議や制作物、採用面談、顧客の声を見ながら、この判断はビジョンに合っていたかを確認する。合っていないなら、言葉が悪いのか、運用がずれているのかを見直す。

この確認を続けると、ビジョンは遠い理想ではなく、組織の学びになる。使いながら磨くことで、未来像は少しずつ現場のものになっていく。

ビジョンの作り方は、決め方の作り方

ビジョンの作り方は、決め方の作り方

未来像を、日々の選択へ通す

未来像を、日々の選択へ通す

BOELは、ビジョンの作り方を、言葉をまとめる手順とは考えていない。会社がどの未来を選び、その未来に合う判断をどう重ねるのかを設計することだと捉えている。

ビジョンがあると、商品を増やす時、採用で人を迎える時、顧客接点を変える時に、同じ未来像へ戻れる。だから表現も行動もぶれにくくなる。

よいビジョンは、一度で完成しない。使いながら磨かれる。会議で、提案で、面談で、顧客の声に向き合う場で、何度も未来へ照らし直される。その積み重ねが、会社らしい決め方をつくっていく。

著者について

企業の意志を、言葉・体験・判断の流れへ翻訳する。経営、事業、顧客接点を横断し、選ばれる理由を設計する。

この記事のテーマ

#ビジョン#ビジョンメイキング#ブランド体験設計#Design the Decision

FAQ

Q. ビジョンの作り方で大切なことは何ですか?
A. ビジョンの作り方で大切なのは、きれいな言葉を先に考えることではない。過去の強み、現在の課題、未来の約束を整理し、日々の判断と体験へ落とす順番をつくることだ。
Q. 似た言葉をどう分けるのか?
A. 「存在意義、未来像、価値観に分ける」と捉えることが要点です。言葉にする手順を手がかりに、今ある取り組みや接点を一つずつ見直すと整理しやすくなります。
Q. 作った後はどう磨くのか?
A. まずは「小さな判断を見直し続ける」という考え方で、一つの接点や判断に絞って試します。最初から全体を変えず、結果を見ながら少しずつ広げていく方法が現実的です。
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