子ども向けUXはどう設計する?
- 成長と安心を支える体験から考える
この記事でわかること
- 子ども向けUXを大人向けと分ける理由
- 成長の段階と利用場面の見方
- 操作と反応をわかりやすくする方法
- 子どもと保護者による確認方法
INDEX
大人向けを楽しく見せれば子どもにも届く?
何歳向けかだけ決めればいいのか
子どもが迷わない操作はどうつくるのか
学びの価値は、説明だけで伝わるのか
子どもが楽しめれば十分?
子どもに使いやすさをどう確かめる?
子ども向けUXはブランドに何を残す?


大人向けを楽しく見せれば子どもにも届く?
大人向けを楽しく見せれば子どもにも届く?
成長の途中にある人の体験として考える
成長の途中にある人の体験として考える
子ども向けUXで起きやすい失敗は、大人向けのページへ子どもの注意を引きやすいであろう明るい色や動きを足せばよいと考えることだ。子どもは、読む力、考える力、手の動かしやすさが発育途中だ。したがって、大人には簡単な記号や細かな操作も、子どもには意味がわからないことがある。
大切なのは、子どもが何を見るかだけでなく、何をどう感じ、どのように試し、自分で選べるかを考えることにある。子どもとの触れ合いの場で受けた印象として、保護者の安心や、将来の会社への信頼にもつながるだろう。子ども向けUXは、未来の関係を育てるブランド体験だ。
何歳向けかだけ決めればいいのか
何歳向けかだけ決めればいいのか
できることと、使う場面まで見届ける
できることと、使う場面まで見届ける
子どもの育ちには幅がある。同じ年齢であっても、文字を読めるか、順番を覚えられるか、指で細かな部分を押せるかは異なる。家で保護者同伴で使用する際と、学校で一人で一人で使う際でも、必要とされるサポートは変わってくる。
まず、子どもができること、難しいこと、使いどころ、そばにいる大人を書き出す。次に、子どもが楽しみたいこと、保護者が安心したいこと、運営する側が守ることを分ける。そうすることで、年齢を入口にしながらも、実際の使用行動と場面を見て対象を決めると、思い込みによるつくり方を減らせる。
子どもが迷わない操作はどうつくるのか
子どもが迷わない操作はどうつくるのか
大きな動きに、すぐわかる反応を返します
大きな動きに、すぐわかる反応を返します
子どもは細かな操作よりも、押す、動かす、つかむなど、手すべてでわかる動きを扱いやすい傾向がある。押したのに変化がないと、自分の動きが合っていたのか判断できない。したがって、説明を長く読ませるより、触れた時の変化から使い方がわかるほうが自然だ。
押せるところは大きくし、背景と区別することにより、動かした直後に、形や音、短い言葉で反応を返すようにする。間違えても戻れ、決められた正解がなく試せる余地も残してあげる。ただし、反応を増やしすぎるとめざすことが見えなくなるため、学びや動きを助ける反応だけを選ぶようにするといいだろう。
学びの価値は、説明だけで伝わるのか
学びの価値は、説明だけで伝わるのか
自ら試し、変わる体験をブランドの核にする
自ら試し、変わる体験をブランドの核にする
WiLLSeedのPROJECTSでは、会社を研修の提供者として見せるだけでなく、人が挑み、学び、変わる場をつくる存在としてとらえ直した。「たくさんの言葉より、一つの体験」という考えをもとに、自ら考え、試すことが意志を育てるという価値をブランドの核にしている。
子ども向けUXでも、答えを先に教え、決められた順番だけを進ませると、子どもの主体性は育ちにくくなる。自分で触れ、結果を見て、もう一度試せる流れを構築する。その体験こそが、楽しさだけでなく、学びへの信頼を形にすることにつながる。
子どもが楽しめれば十分?
子どもが楽しめれば十分?
子ども、保護者、運営側の三つの視点をそろえる
子ども、保護者、運営側の三つの視点をそろえる
子どもが使うサービスであっても、選び、申し込み、支払うのは保護者であることがたくさんある。子どもが夢中になっても、広告が多い、終わりが見えない、個人の情報がどう使われるかわからないと、保護者は安心できない。
そこでまず、子どもには、遊ぶ範囲と終わりをわかりやすく示す。そして、保護者には、狙い、時間、料金、記録される情報を端的に伝える。運営側は、子どもの注意を不必要に引き止める仕組みを避けることで、楽しさと安心を対立させず、三つの視点を一つの方針でそろえることが信頼につながるのだ。
子どもに使いやすさをどう確かめる?
子どもに使いやすさをどう確かめる?
答えを聞くだけでなく、動きと迷いを見ます
答えを聞くだけでなく、動きと迷いを見ます
子どもへ「使いやすかった?」と聞くと、楽しかった気持ちだけで答えることがある。大人が横から教えると、一人ではできないところも見えなくなってしまう。制作する側が考える使いやすさと、子どもの実際の動きというのは切り離して確かめる必要があるのだ。
短い一行動を選択し、子どもがどこを見て、どこを押し、どこで止まるかを観察する。観察し終わった後で、保護者にも安心できた点と気になった点をヒアリングする。発育していくにつれ使い方も変わるため、年齢や場面を変えて小さく試し、公開後も問い合わせや途中でやめるところを見直すことも重要だ。
子ども向けUXはブランドに何を残す?
子ども向けUXはブランドに何を残す?
未来世代を尊重する姿勢を、体験で示します
未来世代を尊重する姿勢を、体験で示します
子ども向けUXのめざすことは、短い時間だけ夢中にさせることではない。子どもが自分で試し、選び、失敗しても戻れ、保護者も安心して見守れる在り方をつくることにある。
BOELは、子どもを小さな消費者として見るのではなく、これから社会との関係を育てる一人の人として向き合うことが大切であると考えている。子どもの育ちと主体性を尊重する振る舞いを子どもとのタッチポイント(接点)ごとにそろえる。その積み重ねが、未来世代から長く信頼されるブランド体験になっていく。
著者について
企業やサービスの価値を整理し、使う人の体験と事業の判断をつなぐブランド設計に取り組んでいます。
FAQ
- 子ども向けUXは、何歳から分けて考えるべきですか?
- 年齢だけで線を引かず、読む力、考える力、手の動き、使う場面から分けます。同じ年齢でもできることには幅があるため、対象となる子どものじっさいの動きを確かめることが大切です。
- 動きや音は多いほど楽しめますか?
- 反応は、自分の操作が伝わったとわかるために役立ちます。ただし、動きや音が多すぎると目的が見えにくくなります。学びや次の行動を助ける反応だけを選びます。
- 保護者向けの情報はどこまで必要ですか?
- 体験の狙いや利用時間、料金や広告といった情報から問い合わせ先までを端的に示します。子ども向けの楽しさと、保護者が判断するための透明さを両方そろえます。











