Brand Strategy / BX

Vol.179

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ストラテジック・デザイナー

T.M.

パーパスブランディングとは|存在意義を使う

- 言葉を、判断と行動へ通す

この記事の対象:
存在意義を見直したい経営者事業責任者ブランド責任者
パーパスブランディングとは、企業の存在意義を言葉で掲げるだけでなく、事業、組織、発信の判断軸として使うことだ。言行一致が、信頼と共感を育てる。
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存在意義を見直したい経営者事業責任者ブランド責任者
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この記事でわかること

  • パーパスの基本
  • ブランド戦略との違い
  • 策定と浸透の手順
  • 言行一致の見直し方
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パーパスとは何か

パーパスとは何か

会社が存在する理由を、判断に使うこと

会社が存在する理由を、判断に使うこと

パーパスとは、会社が何のために存在するのかを示す言葉である。売上や利益を否定するものではない。むしろ、事業を続ける理由を、社会や社員、顧客との関係から見直すための軸である。

パーパスブランディングは、その存在意義をブランド戦略の中心に置く考え方だ。ロゴや言葉を整えるだけではなく、商品、採用、広報、社内の行動まで同じ軸でそろえていく。

大切なのは、掲げることではなく使うことだ。新しい事業を選ぶ時、顧客へ何を約束する時、社員にどんな行動を求める時、パーパスに立ち戻れるか。そこまで入って初めて、存在意義は会社を動かす力になる。

ブランド戦略と何が違うのか

ブランド戦略と何が違うのか

見え方ではなく、行動までそろえる

見え方ではなく、行動までそろえる

従来のブランド戦略は、差別化や認知を強くするために使われることが多かった。どのように見えるか、どのように覚えられるかを整えることは、今も大切である。

ただし、社会や顧客が企業の姿勢まで見るようになると、見え方だけでは信頼をつくりにくい。環境や人への配慮を語っていても、社内の行動や事業の選び方が違っていれば、言葉はすぐに弱くなる。

パーパスブランディングは、見え方の整備に加えて、行動の整備を求める。何をつくるか、誰と働くか、どんな顧客と向き合うか。こうした判断に存在意義を通すことで、ブランドは表現ではなく、企業の姿勢として伝わる。

なぜ存在意義が伝わらないのか

なぜ存在意義が伝わらないのか

経営、採用、発信の言葉が分かれるため

経営、採用、発信の言葉が分かれるため

存在意義が伝わらない会社では、社内の言葉が少しずつ分かれている。経営は未来を語る。採用は働く魅力を語る。広報は社会への姿勢を語る。営業は商品の強みを語る。それぞれは間違っていないが、つながらないまま増えると、会社の輪郭はぼやけていく。

この状態では、社員も顧客も、会社が何を大切にしているのかを受け取りにくい。言葉はあるのに、判断がそろわない。発信はあるのに、行動が続かない。

パーパスを見直す意味は、きれいな一文をつくることではない。それぞれの言葉を一つの存在理由へ結び直すことだ。そこから、経営判断、採用メッセージ、顧客体験の向きがそろい始める。

パーパスはどう機能するのか

パーパスはどう機能するのか

SocioFutureは、存在意義を社会の役割へ変えた

SocioFutureは、存在意義を社会の役割へ変えた

BOELのPROJECTSにあるSocioFutureでは、「ATMの会社」という過去の認識を越え、誰も取り残さない社会を支える企業として存在意義を再定義した。

この事例で行ったのは、社名や見た目を新しくすることだけではない。キャッシュレス化が進む社会の中で、自社は何を守り、誰を支えるのかを問い直し、その考え方を事業、採用、広報へ通した点にある。

パーパスブランディングも同じである。存在意義は、経営者の言葉だけに置いておくものではない。事業の選び方、社員の働き方、社会への発信に通して初めて、ブランドの信頼になる。

PROJECTS「SocioFuture」を読む

どう策定すればよいのか

どう策定すればよいのか

原点、社会、顧客、行動の順に見る

原点、社会、顧客、行動の順に見る

パーパス策定は、言葉づくりから始めないほうがよい。まず見るべきものは、自社の原点である。なぜこの事業が始まったのか。何を大切にしてきたのか。どんな顧客に支えられてきたのか。

次に、社会の変化を見る。いま、自社の役割はどう変わっているのか。過去の強みは、これからも同じ意味を持つのか。古くなった説明はないか。

そのうえで、顧客や社員の声を重ねる。最後に、行動へ落とす。どんな事業を選ぶのか。どんな人を迎えるのか。何をやめるのか。ここまで考えると、パーパスは抽象的な理念ではなく、日々の判断に使える言葉へ近づく。

どうすれば言葉で終わらないのか

どうすれば言葉で終わらないのか

言行一致を運用に入れる

言行一致を運用に入れる

パーパスが弱くなるのは、言葉が弱いからだけではない。言葉と行動の距離が広がる時に、信頼が失われる。

たとえば、社員を大切にすると語りながら、働き方や評価が変わらない。社会に貢献すると語りながら、事業判断は短期の数字だけで決まる。こうしたズレは、社内外に静かに伝わる。

だから、策定後には運用の場が必要である。会議で判断を振り返る。採用で語る内容をそろえる。顧客接点で約束を守れているかを見る。言葉を使う場を持つことで、パーパスは少しずつ会社の姿勢になる。

パーパスは、未来を選ぶ判断軸である

パーパスは、未来を選ぶ判断軸である

存在意義を、日々の選択へ通す

存在意義を、日々の選択へ通す

BOELは、パーパスブランディングを理念文の制作とは考えていない。企業がどの未来を選び、その未来に合う行動をどう重ねるのかを設計する仕事だと捉えている。

存在意義がある会社は、変化の中でも立ち戻る場所を持てる。新しい事業を始める時、採用で人を迎える時、顧客との約束を見直す時に、何を大切にするのかを選びやすくなる。

まず必要なのは、きれいな言葉ではない。自社が何を守り、何を変え、誰のどんな未来へ向かうのかを話し合うことである。その対話を判断へ通す時、パーパスは飾る言葉ではなく、会社を動かす力になる。

著者について

企業の意志を、言葉・体験・判断の流れへ翻訳する。経営、事業、顧客接点を横断し、選ばれる理由を設計する。

この記事のテーマ

#パーパスブランディング#ブランディング#企業ブランディング#インナーブランディング#ビジョンメイキング

FAQ

パーパスブランディングとは何ですか?
パーパスブランディングとは、企業の存在意義を言葉で掲げるだけでなく、事業、組織、発信の判断軸として使うことだ。言行一致が、信頼と共感を育てる。
ブランド戦略と何が違うのか?
「見え方ではなく、行動までそろえる」と捉えることが要点です。ブランド戦略との違いを手がかりに、今ある取り組みや接点を一つずつ見直すと整理しやすくなります。
どうすれば言葉で終わらないのか?
まずは「言行一致を運用に入れる」という考え方で、一つの接点や判断に絞って試します。最初から全体を変えず、結果を見ながら少しずつ広げていく方法が現実的です。
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