
HAKO to TATE
函館という地域の固有性が、
ブランドの核になる。
函館空港ビルデングが取り組んだのは、空港内の土産物店の刷新ではなく、函館という都市が持つアイデンティティの再定義だった。地域に根ざした固有の文化的資源を発見し、言語化し、新しい事業コンセプトの核に据えるというこのプロセスは、地域ブランディングの本質であると同時に、あらゆる新規事業における「ビジョン設計」と同義でもある。
「函と館」は2016年度グッドデザイン賞を受賞した地域ブランディングの実践モデルである。
課題
地方空港の経営課題が、地域ブランドの問いを生んだ
当時、日本の地方空港の多くが経営の転換期を迎えており、インフラとしての空港を持続させるために地域独自の集客戦略が求められていた。函館空港もその文脈の中にあった。
こうした状況の中で函館空港ビルデングが向き合ったのは、「函館に来る理由をどうつくるか」という問いだった。土産物という日常的な接点を起点に、函館という都市そのものの価値を問い直す。その発想の転換が、このプロジェクトの出発点となっている。
解決
「対」という発見が、事業コンセプトの起点
フィールドリサーチを進める中で、ひとつの構造的な発見があった。函館の文化は、驚くほど一貫して「対」で成り立っている。夜景は「表夜景」と「裏夜景」、修道院は男性の「トラピスト」と女性の「トラピスチヌ」、そして地名の由来すら「ハコ(急な崖)」と「タテ(高い丘)」の対であることがわかった。
この発見を単なる観光情報として扱うのではなく、函館のアイデンティティを定義する事業コンセプトの核に据えたことが、プロジェクト全体の方向性を決定づけた。「対」という軸で函館の固有性を言語化し、それを体験できる場所として函館空港内にコンセプトショップとして実装する。私たちはビジョンの言語化から、ビジュアルアイデンティティ、Web体験設計などのブランドの全体設計を担った。
結果
地域資源をデザインし直すことが、新しいブランド体験を生んだ
「函館空港でしか出会えない」という体験価値は、商品の差別化によって生まれたのではなく、ビジョン設計の帰結として生まれたものだった。地元メーカーとの共同開発によって生まれたオリジナルプロダクトは、函館のアイデンティティを物理的に体験できる接点となり、旅行者と地域産業を新しい文脈で接続することになった。
本プロジェクトは2016年度グッドデザイン賞を受賞し、地域固有の資源を発見・言語化して事業コンセプトの核に据えることで、観光・産業・ブランドを一体化させた地域ブランディングの実践モデルとして評価された。
Type
faces


Color
Schemes
RGB / 68 119 196
CMYK / 80 50 0 0
HEX #4477C4
RGB / 207 58 21
CMYK / 24 90 100 0
HEX #CF3A15
RGB / 90 178 140
CMYK / 66 12 55 0
HEX #5AB28C






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