アユムホーム

AYUMUHOME

“性能で選ばれる住宅会社”から、“共感で選ばれるブランド”へ

地域工務店の存在価値を、暮らし体験から再構築したプロジェクト
アユムホームは、群馬県を拠点に注文住宅を手がける地域工務店である。
住宅業界では長年、「高気密・高断熱」「耐震性能」といった機能価値を軸にした競争が続いてきた。一方で、生活者が住まいに求める価値観は、時代とともに変化していた。
単に性能が高い家ではなく、「どのような暮らしができるのか」「どのような時間を過ごせるのか」といった、暮らしそのものの豊かさが重視されるようになっていたのである。
BOELでは、ブランド設計やコアメンバーとのワークショップなどを通じて、アユムホームのブランド支援を継続してきた。本プロジェクトでは、「暮らしに寄り添い、ともに未来をつくる存在」としてブランド価値を再構築している。
経営陣だけではなく、職人、設計士、協力会社なども交えたトークセッションを実施し、「これからの時代に、どのような暮らし価値が求められるのか」を議論しながら、ブランドの未来像を共創した。

背景

“高性能であること”だけでは、選ばれ続けにくくなっていた

住宅業界では、断熱性能や気密性能など、住宅そのものの機能価値を軸にした競争が続いていた。しかしその一方で、性能自体は各社で均一化が進み、「高性能であること」だけでは差別化が難しくなり始めていた。
生活者の価値観も変化していた。従来のように、設備やスペックを比較するだけではなく、「自分たちらしい暮らしを実現できるか」「長く安心して暮らせるか」といった、暮らしの質そのものが重視されるようになっていた。
しかし、多くの住宅会社では、依然として性能や設備仕様を中心とした情報発信が主流であり、「その家でどのような暮らしが実現できるのか」が十分に伝わっていなかった。
地域工務店においては、価格競争や集客競争が激化する中で、「なぜ自分たちが選ばれるのか」というブランドの軸が曖昧になりやすい状況も生まれていた。
本来、アユムホームが大切にしていたのは、単に住宅を提供することではなく、「お客様とともに暮らしをつくっていく」という姿勢だった。しかし、その価値は、住宅性能や施工実績だけでは十分に可視化されていなかった。
そのため、住宅会社としての機能価値はもちろん、「どのような思想で暮らしに向き合っているのか」を整理し、ブランド全体を再設計する必要があった。

アプローチ

暮らしに寄り添うブランド体験を再設計する

本プロジェクトでは、アユムホームを単なる住宅会社ではなく、「暮らしそのものに伴走するブランド」として再定義している。
高気密・高断熱といった性能だけを説明するのではなく、「その住まいでどのような時間が生まれるのか」「家族がどのように暮らしていけるのか」を自然に感じ取れるブランドコミュニケーションを構築している。
経営陣だけではなく、職人、設計士、協力会社なども交えたトークセッションやシンポジウムを実施し、「変えてはいけない理念」と「これから変化していく暮らし価値」を整理しながら、ブランドの未来像を共創した。
この共創により、「家を所有する」という考え方だけではなく、「どのように暮らしたいのか」を起点に住まいを考えられるよう、ブランド体験全体を再設計している。
本プロジェクトでは、ブランドの思想や価値基準を整理することで、アユムホームらしさを組織全体で共有できる状態を目指した。
「ブランドは広告ではなく、関係性の積み重ねから形成される」という考え方のもと、工務店・職人・施主が共に価値を育てていくブランドコミュニティの形成にも取り組んでいる。

成果

“共感”を軸に、住まいを選べる体験

これらの取り組みにより、アユムホームは単なる地域工務店ではなく、「暮らしの価値を共につくる存在」として、新しいブランド価値を形成している。
生活者は住宅性能や価格だけではなく、「どのような価値観を持った会社なのか」「どのような人たちが家づくりに関わっているのか」を知り、理解した上で住まいを選べるようになっている。
ブランドワークショップを通じて、経営者だけではなく、職人や協力会社を含めた組織全体でブランド思想を共有することで、「何を大切に家づくりを行うのか」という価値基準の統一にもつながっている。
本プロジェクトを通じて、「住宅を販売する」のではなく、「暮らしに寄り添い続ける」という考え方は、地域工務店における新しいブランドのあり方を示すことにもつながった。
結果として、このプロジェクトは単なる住宅会社のブランディングではなく、“地域に根ざしたブランドが、時代変化に合わせてどのように進化していくべきか”を再構築する取り組みとなった。
本プロジェクトは、「家を建てる」ことではなく、「人がより自分らしく暮らせる環境をつくる」という思想から生まれている。
性能や価格だけではなく、人と人との関係性や、暮らしそのものの豊かさを見つめ直しながら、地域工務店の新しい存在価値を再定義していく取り組みとなった。

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