Brand Strategy / BX

Vol.108

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ストラテジック・デザイナー

T.M.

カスタマージャーニーマップは何のためか

- 顧客の行動を、組織の判断へつなげる

この記事の対象:
ブランド責任者CX責任者マーケティング責任者事業責任者
カスタマージャーニーマップは、お客さまの動きや気持ちを並べるだけの図ではありません。接点で起きている迷いを見つけ、どこを変えるかを組織で決めるための設計図です。
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ブランド責任者CX責任者マーケティング責任者事業責任者
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この記事でわかること

  • マップを作る本当の目的
  • 想像と事実を分ける方法
  • 接点を見直す六つの項目
  • TOMAMUの体験設計
  • マップを判断に生かす手順
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なぜマップを作っても、体験は変わらないのか

なぜマップを作っても、体験は変わらないのか

完成させることより、変える判断を決める

完成させることより、変える判断を決める

カスタマージャーニーマップは、お客さまが商品やサービスを知り、比較し、選び、使うまでの流れを見える形にするものです。ただし、綺麗な図を完成させることが狙いではありません。

よくある失敗は、動きや気持ちをたくさん書き込み、発表したところで仕事が終わることです。誰が、どの接点を、なぜ変えるのかが決まらなければ、お客さまの体験はそのままです。

大事なのは、部門ごとにちがう見方を一つの図へ集めることです。営業、広報、商品開発、サポートが同じ流れを見ながら、「ここで迷いが生まれている」「この案内は会社の約束と合っていない」と話せるようになる。マップは、そのための同じの設計図です。

マップは、お客さまのためだけの図ではない

マップは、お客さまのためだけの図ではない

お客さまの時間から、会社の判断を設計する

お客さまの時間から、会社の判断を設計する

カスタマージャーニーマップが映すのは、お客さまの動きだけではありません。会社が、どの接点を大事にし、どの迷いを見過ごし、誰に判断を委ねているかも映します。

だからこそ、マップづくりはマーケティングだけの仕事ではありません。経営、商品、営業、広報、サポートが、お客さまの時間を同じの拠り所にして、自分たちの判断を見直す仕事です。

BOELが考えるDesign the Decisionとは、見た目を先に変えることではなく、よりよい体験を生む判断の仕組みをつくることです。マップは、会社の意思を接点へつなぎ、お客さまとの関係を育てるための設計図になります。

ペルソナを作れば、お客さまを理解できるのか

ペルソナを作れば、お客さまを理解できるのか

観察した事実と、組織の仮説を分けて書く

観察した事実と、組織の仮説を分けて書く

ペルソナは、話し合う相手像をそろえるために役立ちます。しかし、細かな年齢や暮らし方を書けば、お客さまをわかることしたことになるわけではありません。想像が細かいほど、わかったことらしく見えてしまうからです。

そこで、マップでは「見聞きしたわかったこと」と「そこから考えた仮説」を分けます。アクセスの記録、検索語、問い合わせ、接客の会話、利用後の声はわかったことです。「不安なのではないか」「説明が足りないのではないか」は仮説です。

仮説には、次に確かめるやり方を加えます。数人への聞き取りでも、接客の観察でもかまいません。わかったことが増えたらマップを書き直す。この繰り返しが、組織の思い込みを減らし、お客さまへのわかることを深めます。

検討の時間は、どうブランド体験になるのか

検討の時間は、どうブランド体験になるのか

知る、思い描く、選ぶ、過ごすを一つの物語にする

知る、思い描く、選ぶ、過ごすを一つの物語にする

BOELのPROJECTS「TOMAMU the WEDDING」では、結婚式を一日だけの催しではなく、その前後の滞在をふくむ時間としてとらえ直しました。ユーザーが知り、思い描き、くらべ、選び、現地で過ごすまでを、一つの流れとして設計しています。

サイトでは、知らせを同じ強さで並べるのではなく、検討が進むにつれて知りたいことが変わる点に合わせ、写真や言葉の順序をととのえました。まだ場所を知らない人には空気感を、具体的に考える人には過ごし方を届けます。

この事例が示すのは、マップが画面の使いやすさだけを見る道具ではないことです。お客さまの時間に沿って接点をつなぐと、場所の説明が「どんな時間を過ごせるか」という選ぶわけへ変わります。→ 事例を読む

初めて作るとき、どこから始めればよいのか

初めて作るとき、どこから始めればよいのか

対象と目的をしぼり、ひとつの場面から作る

対象と目的をしぼり、ひとつの場面から作る

最初から、すべての商品と接点を一枚に入れる必要はありません。まず「誰の、どの判断を、なぜわかりたいのか」を決めます。例えば、新しいお客さまが相談を申し込むまで、という小さな場面で十分です。

次に、関係する人を集め、わかっている/わかったことを時系列で並べます。足りない部分は仮説と書き、聞き取りや記録で確かめます。その上で、迷いが大きく、会社の約束にもかかわる接点を一つ選びます。

最後に、変える内容、受け持つ人、確かめるやり方、見直す日をきめます。大きな図より、小さくても使い続けられる図のほうが、組織の判断を変えます。

作ったマップを、どう組織で使い続けるのか

作ったマップを、どう組織で使い続けるのか

優先順位、担当、結果を同じ図へ戻す

優先順位、担当、結果を同じ図へ戻す

マップは、年に一度だけ開く資料ではありません。問い合わせがふえたとき、新しい商品を出すとき、接客の決まりを変えるときに開き、判断の前提をそろえるために使います。

見直すときは、売上だけでなく、迷いが減ったか、説明が伝わったか、現場の負担が増えていないかを確かめます。数と声の両方を置くと、短い成果だけに引っぱられにくくなります。

変えたことした接点と結果をマップへ戻すと、組織は「何を変えると、どんな体験が生まれるか」を学べます。この学びが積み重なるほど、マップは一枚の資料ではなく、ブランド体験を育てる経営資産になります。

マップは、お客さまのためだけの図ではない

マップは、お客さまのためだけの図ではない

お客さまの時間から、会社の判断を設計する

お客さまの時間から、会社の判断を設計する

カスタマージャーニーマップが映すのは、お客さまの動きだけではありません。会社が、どの接点を大事にし、どの迷いを見過ごし、誰に判断を委ねているかも映します。

だからこそ、マップづくりはマーケティングだけの仕事ではありません。経営、商品、営業、広報、サポートが、お客さまの時間を同じのよりどころにして、自分たちの判断を見直す仕事なのです。

BOELが考えるDesign the Decisionとは、見た目を先に変えることではなく、よりよい体験を生む判断の仕組みをつくることです。マップは、会社の意思を接点へつなぎ、お客さまとの関係を育てるための設計図になります。

著者について

経営の意図を、お客さまや社会が受け取れる体験へ翻訳するストラテジック・デザイナー。事業、組織、接点をつなぎ、判断の拠り所を設計する。

この記事のテーマ

#カスタマージャーニーマップ#サービスデザイン#ブランディング#ブランド体験設計

FAQ

カスタマージャーニーマップは、どのくらい細かく作るべきですか?
最初は、ひとつの商品、ひとりの主な対象、ひとつのねらいにしぼります。使ってわかった不足を足すほうが、最初から大きく作るより運用しやすくなります。
お客さまへの聞き取りができなくても作れますか?
作れます。ただし、問い合わせや動き記録などのわかったことと、組織の仮説を分けてください。仮説には、あとでたしかめるやり方をそえます。
作ったあと、どの部門が管理すべきですか?
一つの部門だけで閉じず、体験全体を見られる責任者をきめます。各接点の受け持ち者が変えたこととけっかを持ち寄れる運用がひつようです。
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