Design Management

Vol.197

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ストラテジック・デザイナー

T.M.

環境デザインとは|未来の場をつくる

- 人の過ごし方から、空間を考える

この記事の対象:
施設や空間の価値を見直したい経営者事業責任者ブランド担当者
環境デザインとは、建物や空間を整えるだけでなく、人がそこでどう過ごし、何を感じ、どんな関係を育てるかを設計することだ。未来像から考えることで、場はブランド体験になる。
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施設や空間の価値を見直したい経営者事業責任者ブランド担当者
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この記事でわかること

  • 環境デザインの基本
  • 未来像が必要な理由
  • 多様性を受け止める場
  • 体験へ落とす考え方
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環境デザインとは何か

環境デザインとは何か

空間ではなく、人の過ごし方を設計する

空間ではなく、人の過ごし方を設計する

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環境デザインと聞くと、建築や内装、公園や施設の計画を思い浮かべやすい。もちろん、それらも大切である。しかし本質は、物理的な形を整えることだけではない。

人はその場で歩き、待ち、話し、働き、休む。その時に安心できるか、迷わず動けるか、誰かと自然につながれるか。そうした過ごし方まで含めて考えることが、環境デザインの入口である。

企業にとって環境は、事業の考え方が現れる接点でもある。店舗、オフィス、施設、ウェブ上の体験も含め、どのような場をつくるのかは、どのような会社でありたいのかという問いとつながっている。

なぜ未来像が必要なのか

なぜ未来像が必要なのか

何のための場かを先に決めるため

何のための場かを先に決めるため

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環境デザインがむずかしくなるのは、求められる機能が増え続けるからだ。便利であること、効率がよいこと、安全であること、多くの人に開かれていること。どれも必要だが、全部を足すだけでは、場の意味はぼやける。

そこで必要になるのが未来像である。この場所で、人にどんな時間を過ごしてほしいのか。地域や社会と、どんな関係をつくりたいのか。その問いがあると、機能の優先順位が決まる。

未来像は、夢のような大きな言葉でなくてよい。たとえば「誰もが安心して立ち寄れる」「働く人が自然体で力を出せる」といった、過ごし方の言葉で十分である。その言葉が、設計の判断軸になる。

多様性はどう設計に入れるのか

多様性はどう設計に入れるのか

平均ではなく、違いを前提にする

平均ではなく、違いを前提にする

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多様性を大切にすると言うだけでは、環境は変わらない。実際の設計では、年齢、体の動き方、言葉、文化、働き方、不安の持ち方が違う人たちを前提にする必要がある。

多くの場づくりは、無意識のうちに「平均的な人」を想定する。しかし平均に合わせるほど、そこから外れる人の負担は見えにくくなる。入口のわかりにくさ、座れる場所の少なさ、音や光の強さ、説明の読みにくさ。小さな負担が、場への参加を遠ざける。

環境デザインでは、違いを問題としてではなく、最初から設計条件として扱う。誰が入りにくいのか。どこで迷うのか。どんな時に緊張するのか。その問いから始めることで、場はよりひらかれていく。

環境はどうブランド体験になるのか

環境はどうブランド体験になるのか

三菱電機 IEQは、設備を空間体験へ翻訳した

三菱電機 IEQは、設備を空間体験へ翻訳した

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BOELのPROJECTSにある三菱電機 IEQでは、室内環境の質を、空調や換気の性能だけで語らず、「人が心地よく過ごせる空間体験」として再定義した。

空気、光、温度、換気は、数値や技術として説明できる。しかし利用者が本当に受け取るのは、その場で安心できること、集中できること、自然体でいられることだ。本プロジェクトでは、その感覚を言葉と構成で伝え、技術を人の体験へつなげた。

環境デザインでも同じ視点が必要である。設備を増やすことが目的ではない。その場で人がどう過ごせるかを言葉にし、接点全体で伝えることが、ブランド体験をつくる。

PROJECTS「三菱電機 IEQ」を読む

自社では何から考えるべきか

自社では何から考えるべきか

人、行動、不安、未来の順に見る

人、行動、不安、未来の順に見る

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環境デザインを始める時は、形の話から入らないほうがよい。まず、その場に来る人を具体的に思い浮かべる。

次に、その人がどのように動くのかを見る。迷う場所はどこか。立ち止まる場所はどこか。話しかけにくい場所はあるか。さらに、何に不安を感じるのかを考える。音、光、距離、説明、待ち時間。そこに改善の糸口がある。

最後に、その場が将来どんな関係を生むべきかを決める。売る場なのか、学ぶ場なのか、働く場なのか、地域とつながる場なのか。この順番で考えると、環境は単なる設備ではなく、未来を支える体験になる。

つくった場をどう育てるのか

つくった場をどう育てるのか

運営の言葉まで設計しておく

運営の言葉まで設計しておく

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場は、完成した瞬間に終わるものではない。人が使い始めてから、少しずつ意味が育っていく。

だから環境デザインでは、つくった後の運営まで考えておく必要がある。案内の言葉、接客の距離感、困っている人への声かけ、混み合う時の動線、季節ごとの使い方。こうした日々の振る舞いが、場の体験を形づくる。

もし最初の考え方が運営へ共有されなければ、場は少しずつ別のものになる。逆に、考え方が言葉として残っていれば、運営の中で見直しながら育てられる。環境デザインは、設計図ではなく、生きた関係をつくる仕事である。

環境デザインは、未来の関係を決めること

環境デザインは、未来の関係を決めること

場の形より、そこで生まれる時間を見る

場の形より、そこで生まれる時間を見る

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BOELは、環境デザインを空間の形を整える仕事だけとは考えていない。人がその場でどう過ごし、誰と出会い、何を感じ、どんな関係を持ち帰るのかを決める仕事だと捉えている。

だから最初に必要なのは、きれいな完成図ではない。その場がどんな未来を支えるのかという問いである。そこから、人の動き、不安、余白、案内、運営の言葉を整えていく。

環境は、企業や地域の考え方がもっとも静かに現れる接点である。見た目ではなく、過ごす時間にその思想がにじむ。そこまで設計して初めて、場はブランド体験になる。

著者について

企業の意志を、言葉・体験・判断の流れへ翻訳する。経営、事業、顧客接点を横断し、選ばれる理由を設計する。

この記事のテーマ

#環境デザイン#ビジョンメイキング#ブランド体験設計

FAQ

環境デザインとは何ですか?
環境デザインとは、建物や空間を整えるだけでなく、人がそこでどう過ごし、何を感じ、どんな関係を育てるかを設計することだ。未来像から考えることで、場はブランド体験になる。
なぜ未来像が必要なのか?
「何のための場かを先に決めるため」と捉えることが要点です。未来像が必要な理由を手がかりに、今ある取り組みや接点を一つずつ見直すと整理しやすくなります。
創出した場をどう育てるのか?
まずは「運営の言葉まで設計しておく」という考え方で、一つの接点や判断に絞って試します。最初から全体を変えず、結果を見ながら少しずつ広げていく方法が現実的です。
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