Google analytics 4 でできるようになったこと


GA4(Google Analytics)とは
ご存知の方も多いかとは思いますが、Google AnalyticsはGoogleが無料で提供するアクセス解析ツールです。
企業の担当者はGoogleAnalyticsを用いることで、自社のWEBサイトに訪れたユーザーに対して、どこからきたのか、どんな人が来たのか、何をしたのかなど、さまざまな観点から情報を得る事ができ、それを分析し、さまざまな施策に役立てることができるようになります。
Google analytics (GA4) でできるようになったこと
1.WEBサイト、アプリ間でのデータ収集
GA4と従来のユニバーサルアナリティクスでは異なった計測方法でユーザーの行動データを収得します。ユニバーサルアナリティクスでは、ユーザーがサーバーに接続してから切断するまでに何を行なったかといった「セッション」単位で計測を行います。これによりユーザーがサイトを訪問してからどのページを、どれくらい閲覧したかといった行動データを得ることができます。GA4では、WEB内やApp内で、どれくらいスクロールしたか、埋め込まれた動画を何秒間視聴したのかなど、体験をもとにした「イベント」単位でより細かくユーザーの行動データを計測することができます。
また、GA4は2019年に発表された、App+Webプロパティの正式版としてリリースされました。それまでWEBはユニバーサルアナリティクス、AppはGoogle Analytics For Firebaseと、WEBとAppでそれぞれ独立した情報収集ツールを用いていました。それがApp+Webプロパティで統合されました。
このようにデータの計測範囲や計測方法が大幅に変更されたことによりより細かくサイト内でのユーザーの行動データを計測するだけではなくAppとApp、AppとWEBを横断したユーザーの行動データを取得する事ができるようになりました。
2.機械学習による行動予測
GA4ではGoogleの機械学習の技術を用いた予測指標を使用することができます。これにより、過去や現在のデータ分析だけではなくユーザーの今後の動きを予測することが可能になります。具体的には「購入の可能性」、「離脱の可能性」、「収益の予測」など購入に繋がりやすいユーザーの予測をすることが可能になり、より効果的な広告の活用等に繋げることができます。
3.プライバシー重視のデータ収集
昨今のプライバシー保護の動きに即し、GA4ではユーザーのデータを保持する場合、一定期間経過するとサーバーからデータが自動的に削除されるようになっており、その期間は2ヶ月か14ヶ月に固定されているなど、従来に比べより慎重に個人情報の計測、管理を行う仕様となっています。
また、Cookieからユーザーデータを収集すること自体がプライバシー保護の観点から問題視されている情勢の中で、GA4は機械学習による予測機能を用いた、これからの時代に適したユーザーの行動分析を可能にしました。
デメリット/注意点
解説書が少ない/仕様に不足がある
GA4は従来のユニバーサルアナリティクスとは変更された仕様が多く、GA4の仕様を理解するためには新たにGA4について学び直す必要があります。しかし、リリースされて間もないツールのため解説書や記事などもそれほど多く刊行されていないため、習熟するまでに時間がかかる可能性があります。
また、仕様に不足があったり、新しい機能の追加や変更が行われる可能性があります。そのため情報や機能が整わない中で運用していかなければなりません。
Googleサーチコンソールとの連携
Googleサーチコンソールとはサイト訪問後のユーザーの行動データを収集するユニバーサルアナリティクスに対し、検索エンジン上でサイトがどれくらい表示されたか、俺くらいクリックされたかなどサイト訪問前のデータを収集するツールです。
ユニバーサルアナリティクスではサーチコンソールとのデータをユニバーサルアナリティクス上で連携させてレポートを作成することができました。しかし、現状GA4では連携することができません。そのため、サーチコンソールによって収集されたデータを踏まえたレポートが必要な場合はGA4とサーチコンソールを併用しなければなりません。
機械学習による行動予測
先述した機械学習によるを利用するためには以下の注意点に気をつけなければなりません。
引用:アナリティクスヘルプ「[GA4] 予測指標」
予測モデルを正常にトレーニングするには、次の条件を満たしている必要があります。
- 購入ユーザーまたは離脱ユーザーのポジティブ サンプルとネガティブ サンプルの最小数。関連する予測条件をトリガーしたリピーターが過去 28 日の間の 7 日間で 1,000 人以上、トリガーしていないユーザーが 1,000 人以上必要です。
- モデルの品質が一定期間維持されていることが要件になります。
- 購入の可能性と離脱の可能性の両方を対象とするには、プロパティは purchase(収集が推奨されるイベント)と in_app_purchase(自動的に収集されるイベント)の少なくともどちらか一方を送信する必要があります。
purchase イベントを収集する場合、そのイベントの value と currency パラメータ(この2つのパラメータを収集することでイベントの金銭的価値をより詳しく捉えることができる)も収集する必要があります。
対象となる各モデルの予測指標は、アクティブ ユーザーごとに 1 日に 1 回生成されます。プロパティのモデルの品質が最小しきい値を下回った場合、対応する予測の更新が自動的に停止され、アナリティクスで予測が利用できなくなる場合があります。
オーディエンス作成ツールのオーディエンス テンプレートの候補内にある [予測可能] セクションで、各予測の要件ステータスを確認できます。
まとめ
GA4はこれまでのユニバーサルアナリティクスとはデータ計測の方法が、大きく変更され、それによりより深く幅広くユーザーの行動データを取得することができ、それにより、今後の時代に合わせたデータ習得ができるようになっています。
しかし、リリースしたばかりのツールであるため、従来のユニバーサルアナリティクスで備わっていた機能がGA4では利用できないことや、今後、機能変更をされる可能性などがあり、それについての情報がまだ多くないという状況のため導入に抵抗を感じてしまう場合もあるかもしれません。
とはいえ、より早くGA4の豊富な情報収集機能で幅広いユーザーの行動データの計測や予測を行うためにも、機能が整備されるのを待ってから導入するのではなくGA4とユニバーサルアナリティクスを併用し徐々に移行していくのが良いと言えるでしょう。
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