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vol.196Vision-making
教育の多様性と未来を拓くビジョンメイキング──環境デザインから読み解く“これからの学び”

この数年間で私たちの社会は複雑さを増し、価値観も生き方もかつてないほど多様化しています。文化、言語、家庭環境、発達特性、学習スタイル──教育現場では「多様性」が日々、文字通り目に見えて現れています。文部科学省は、発表する「誰一人取り残さない『令和の日本型学校教育』」という資料の中で、多様性への包括的な対応を強調しています。また、「ダイバーシティ教育(多様性教育)」は、多くの教育関係者が現代に必須の視点として取り上げるようになっています。 しかし、教育現場で多様性の重要性が語られる一方で、「では、どこへ向かうのか?」、 「多様性の先に、どういった未来を描くのか?」といった具体的な問いに対して、明確な“ビジョン”が不在のまま議論が進むケースが少なくありません。だからこそ今、教育における多様性を叶えるためのビジョンメイキングの重要性が説かれるべきではないでしょうか。生徒や教師、学校や地域といった関係各所や各人が、多様な個性を受け入れながら未来志向で学びの道筋を描くためには、「教育のビジョンをいかに描くか」が鍵となります。 本記事では、教育の多様性を語るにあたり、生物の多様性や環境デザインの視点も織り交ぜながら、未来を創る学びのビジョンメイキングについて深掘りしていきます。