東京オリンピックで活躍 ピクトグラムについて


ピクトグラムとは
目で見るだけで言葉の代わりになったり、言葉を補足する役割として使われます。
はるか昔、情報を伝えるためにどのような方法にするかと考えてビジュアルで表現しているものがあります。3万2000年前のショーヴェ洞窟の壁画です。ピクトグラムは新しいコミュニケーションツールではないのです。
現在のような形になったのは、1920年代に、オットー・ノイラート(Otto Neurath)によって作られました。彼は、哲学者・社会学者・政治経済学者とグラフィックデザインに関わることをしていた人ではありませんでした。
そんな彼がピクトグラムを発明したのは、教育の場で視覚的な印象を通して情報を伝えようとしたことがきっかけでした。
1964年 東京オリンピックで広まったピクトグラム
当時、今よりも英語が普及していないため、来日した外国人とコミュニケーションをとることが難しい時代でした。そこで、田中一光氏、福田繁雄氏など十数人のデザイナーがピクトグラムを3ヶ月かけて熟考し作成したといわれています。
オリンピック史上初となるピクトグラムが開発されました。
そのため、この年にピクトグラムは日本に一般的に広まることになりました。
今では世界共通で使われる「トイレ」のピクトグラムもこのときに作られたそうです。
インフォグラフィックスとの違い
インフォグラフィックスはピクトグラムと図解を、よりビジュアルで魅せるものです。
そのため、ピクトグラムはインフォグラフィックスの要素の一部ということです。
意外と2つの違いを知っている人は少ないのではないでしょうか。
制作のポイント
デザインにおいて、どんな人が、どんな場所で、どんな目的で見るのかを明確にすることが必要です。ピクトグラムにも同じことがいえます。
作成時にはそのことを頭に置きながら、できるだけ作成するピクトグラムの内容を元にたくさんのキーワードを出していきます。
そのあとは、キーワードをもとにラフスケッチをたくさん描いていきましょう。
下絵が完成したら、Adobe Illustratorなどのグラフィックソフトを用いて、データ化していきます。作ったピクトグラムをすべて並べて比較し、全体のバランスを調整します。
ピクトグラムとして、まず目立つことを目指しましょう。
背景に馴染んでしまったりしていたら、伝えたい情報が伝わりません。
また、できるだけ無駄を削ぎ落としシンプルに作ることもポイントです。
細かいピクトグラムでは、大きく表示するにはいいですが、印刷など小さく表示する際に、細かい部分がつぶれる可能性があります。
シンプルに作成した方が、縮小したときにも有効なデータになります。
イラストが描けない人でもつくれる方法
ピクトグラムは、イラストが描ける人ではないと作れないというわけではありません。
幾何学模様と少しの特殊形状でピクトグラムは作ることができます。
丸、四角、三角など基本図形を用いてパーツを組み合わせることで複数のピクトグラムを作成しても全体に統一感が出ます。
例えばビルのピクトグラムは、長方形に小さい四角を入れていくとビルに見えてきますし、人物も頭は丸を用いて、胴体・足・腕は四角形をもとに作成ができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
デザイン関連のことは、どこか海外でブームになったものが日本にやってきたイメージがありますが、ピクトグラムは1964年の東京オリンピックがきっかけで広がったのですね。
嬉しくも、誇らしく感じます。
2020年に東京オリンピックが開催されますが、どのように街は、デザインは変わっていくのか待ちどおしいです。
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